ページ内を移動するためのリンクです。

海外環境保全

ブラジル、インドネシア、アフリカのコンゴ民主共和国など赤道直下とその周辺に位置する国々には、独特の気候により醸成された広大な熱帯雨林が広がっています。熱帯雨林は森林の中でも特に豊富な生態系を有し、そこにしか見られない稀少種も数多く存在しています。この貴重な生物の宝庫はまた人間の生活に欠かせない木材資源や林産物、食用・医療用となる動植物などあらゆる資源の宝庫でもあり、さらには生物の生存基盤である酸素の供給源としても多大な役割を果たしています。

1960~70年代、日本は木材や紙パルプ原料の需要の増大からアジア地域の熱帯林や熱帯雨林において大規模な収奪を行い、森林とそこで生活する人々の生活を破壊しました。80年代後半にはそれらの森林破壊が問題視されるようになり、日本でも抗議行動が盛んに行われました。それから20年余を経た今、熱帯の森林破壊問題は日本のマスコミではほとんど取り上げられなくなりましたが、それは問題が終息したからというわけではありません。経済はグローバル化し、世界各国の需要を背景とした牛肉生産のための放牧地開発、バイオエタノール用の作物生産や、パームオイル生産のためのプランテーション開発など、新たな脅威が今も熱帯の森林を脅かし続けているのです。そしてそれはまた、すべての日本人の生活にも密接につながっている経済活動の一部として行われています。

このようなグローバル経済の発展の裏側にある森林破壊に対して、個人や小さな組織による反対は無力に等しい存在です。しかし熱帯の森林には、森とともに暮らし、森林をプランテーション化から守ろうとする人々や、木を植える活動を根気よく続けている人々がいます。その小さな活動には破壊を止める力はなくても、ほんの少しの間森林の命をつなぎ、絶滅寸前の種をわずかでも延命する力を有しています。EFFはそのような活動に賛同し、敬意を表し、ともに活動していきたいと思っています。自然の森林と、森が育むあらゆる生命の価値が正当に評価され、森が守られていくことが当然とされる「持続可能な社会」が実現するまで、この小さな活動が少しでも大きな輪になっていくように呼びかけていきたいと思っています。

海外環境保全事業の実績を見る