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活動報告

千葉県 上総亀山

2010年度 前半活動報告

千葉県 上総亀山の活動報告写真

馬来田駅から車で5km、工事中の圏央道の下に車を止め少し歩くと、真里谷の山が見えてきました。小さな山ですが、もとは崖のようだった斜面を整備して、とりあえず人が歩いて登れるような道が作られています。晴れ渡る青空の下、山頂に円く空いた広場に続々と参加者が登って来ました。今日は16人と少数ですが、いつも元気な草の根ムーブメントの皆さんや、山作業の経験者が揃っており、作業ははかどりそうです。
竹に覆われていた広場は、冬に伐採が終わっています。伐採が終わった後にすぐに伸びてくるタケノコを繰り返し刈り取ることにより、曲者である竹の地下茎を枯れさせていくことが大事です。

千葉県 上総亀山の活動報告写真

広場にはずんぐりしたモウソウダケではなく、すらっとしたマダケがそこら中に生えていました。本日の段取りの説明後、まずは手始めにタケノコを刈ることにしました。まだ柔らかいものも多いので、昼食時に焼いて参加者で試食することとし、食べられそうなものを集めながら刈っていきました
軽く汗を流したところで、2班に分かれ、まだ周辺に残っている竹林の切り出し、搬出作業を始めます。広場をぐるりと囲むように、天にも届きそうな竹が好き勝手に乱立しています。成長に光や空間があまり必要でなく、放置すればどんどん周りに侵入し拡大していくため、所せましと競い合って伸びた竹が根元から倒れ、上の方で折れ、枯れては絡まり合い、奥の方まで暗く格子模様を作っています。
まずこちらを切っておき、隣を切って斜めに引っ張り出すというように、何本かの竹の具合を見ながら切っていきますが、素直に倒れてこないので手間取ってしまいます。傾斜のきつい斜面に生えた竹は、切る係、引っ張り出す係、斜面の下へ投げる係、受け取り積んでいく係と分担し、体力の消耗を抑え、効率良く動くようにしました。自分の身長の5倍近くある竹を投げるのは難しかったですが、最後には次々と、横長に掘られた穴に積まれていきました。

2009

昼食は、3種類のおにぎりとマダケ入りみそ汁、アルミホイルに包んで焚き火に入れておいたマダケに味噌をつけて食べました。ホイル焼きのやわらかいタケノコに少し残る苦味が味噌とよく合い、みそ汁にはほんのりと甘いダシが出て、どちらもとても美味しかったです。収穫は大漁で、余ったタケノコを持ち帰ることができました。 食事に使ったバガスの食器は、各自自分の名前を書き、せっかくなので土に埋め完全分解する経過を見ることにしました。穴堀りのついでに横に小さな畑を作り、さつまいもを植え目印をたてました。
一度しか訪れた事のない場所に愛着を持つことは難しいですが、少しずつ活動のあとを残していけば、また足を運ぼうと思うかも知れません。私もまだ数回しか来た事がないですが、何年もかけて経過を見ていくことでまた違う面白さがありそうだと思い、山を相手にダイナミックな子育てをしているような感じがしました。

千葉県 上総亀山の活動報告写真

今回、切り出した竹はそのままにしておきました。炎が燃え広がりにくい雨の日に燃やすのだそうです。切った竹でバンブーハウスを手作りしようという話もでています。
竹は昔から日本人の身近にありましたが、現在はその良い面に目がいくことが少なく、ただ山を荒らしているのが目につきます。しかし、その成長の早さなどから、木材の代替品としての利用にも期待が高まっており、最近は竹を使った商品もネットですぐ探せ、比較的簡単にめずらしいものが手に入ります。現代のデザインを取り入れた伝統工芸品や、竹から作った布製品、普段の生活で使う道具でも、素材が変わればひと味違って楽しく感じられます。
山の手入れは楽しいだけではできませんが、興味を持てる範囲で興味を持ち、気の向いた時に実行するというスタンスも悪くはないと思います。何も変わらないわけではなく、そこから広がることもあるのだと思います。