2009年活動報告

パラ州ベレン市 から約 40 kmの郊外 、サンタ・バルバラ郡内の入植地（エスペジット・リベイロ入植地）で、部落公有地と 3 農家（アウグスト氏、フランシスカ氏、コンセイソン氏）の 4 ヵ所において森林農業支援（アグロフォレストリー型植林）を実施し、計 1.0 ヘクタールに 6,786 本の苗を植付ました。また、水源を確保するため、入植地内の水源地帯で、伐採後放置されている場所（ 0.25 ヘクタール）において昨年同様、｢キッズ植樹祭｣を 2 回開催し、計 255 人の地元住民、子どもたちの参加により 4,205 本の苗木を植樹しました。

エスペジット・リベイロ入植地は、ベレン近郊に残された自然林の残る土地が、入植により部落となった場所です。
土地の管理を行うブラジル行政機関では、継続的に土地の権利確保する条件として、アマゾンの森林保全規制を守り、環境に配慮した農業を行っていくことを重視しています。
そのため、入植した住民たちは、 ｢エスペジット・リベイロ入植地　環境農業農民協会｣ という相互扶助の協会を組織し、入植地に残る森林 80 ％を残す方針を掲げながら、農業を推進する努力をしていますが、農業に関するノウハウや知識がないことから、入植から3 年以上の月日が経過した現在でも、未だ農業生産活動は低調な状態が続いています。

本活動では、その様な現状を改善すべく、森林や生態系を保全しながら、継続的に農業ができる環境配慮型森林農業（アグロフォレストリー）の普及・支援に取り組んでおり、今年度は 3月～ 7月にバナナ、パイナップル、カジュー、クプアスーなどの果樹や、アサイ椰子、インガ、ジャトバ、マホガニ、ブラジルナッツなどの樹木を植え、この他にトウモロコシや豆、野菜の種子も提供しました。

今回、植付を実施した場所は、いずれも砂質ラトソル地帯で土地が痩せている上、開墾や焼畑を繰り返してきた土地だったため、 鶏糞入り有機質肥料をまき、必要に応じて施肥できる量の化学肥料もあわせて提供しましたが、各耕地とも様々な事情から、種まきや苗の植付、除草・施肥作業が、こちらの指導したように適期に行われずに、トウモロコシ、豆類などの収穫は、予定していたより多くありませんでした。
しかしながら、当初、半信半疑だった住民たちも、開始から1年経過した現在、本プロジェクトへの参加を希望する世帯が増えるなど、森林保全の意識や本活動への理解を深め、来年度 (2010年) も継続を、要請される状況となっています。

本事業開始後、少しずつですが入植地のリーダーたちをはじめ一部住民は、この活動の意義や森林保全を行っていくことの重要性を、理解してくれています。しかしながら一方で、まだ環境配慮に対する認識・理解の薄い人々が、多くいることも事実です。
EFFでは、来年も引き続き、現地 NGO Asflora 協力の下、森林農業のモデルづくりと、子供たちへの環境教育活動を行うことで、残された森林を守り、持続可能な住民の生活を行っていく手助けを、展開していきたいと思っています。

2009年度活動実績一覧