2012年活動報告
今年度、ブラジル・サンタバルバラ郡内エスペジット・リベイロ地区でのアグロフォレストリー支援事業は、従来のように直接入植者を選び森林農業支援は行わず、入植者の協会(ATRAER)に対し、要望のある農業資材の一部支援を行いました。持続可能な営農への手助けとなるよう、協会に対してはこの資材を使う者は収穫後、同じ資材あるいは同等の金額を協会に返して、それが継続してゆけるようなある種マイクロクレジット的な要素を持った仕組みの試験的導入を提案しました。簡単ではありませんが、少しでも入植者が自分たちの協会を通した互助制度をつくり、持続可能な農業に移行して行ければと考えています。また、本年は東京農工大のJICA草の根プロジェクトと提携できたことで、展示圃場での栽培技術の習得、先進地での研修会、トメアスー農協の技師を招いての現場研修と技術指導を得ることができました。更にコミュニティ苗畑の造成を行ったことも特筆できる成果となりました。
当地での活動も4年目を迎え、初期に支援した耕地では、各種熱帯果樹が実るようになり、農民の土地への固定化に寄与できていると感じる一方、本プロジェクトが今後とも成果をあげてゆくためには、コミュニティのリーダーが務まるような人材が数名は必要であり、リーダーが育ってゆくようにすることは、今後の重要な課題となっています。
また、現地カウンターパートのAsfloraの協力を得て、12月14日に入植地に隣接するミネラルウォーターを生産する会社(エスレイラ・ダルバ)の敷地で植樹活動を行いました。植樹した場所は、以前は牧場として使用され砂質土壌で極めて痩せている土地ですが、地下にはミネラルウォーターをくみ上げている良質な水脈があり、その水脈は、近辺の二つの川の水源ともなっています。
当日は、約500名の地元の子供たちと父兄、地元市役所代表、在ベレン日本総領事館などが参加して1,200本の苗木を植樹しました。その後、降雨状況に合わせ、同月末より1月にかけて40樹種合計4,500本(0.2ha)の植樹して完了しました。入植地の協会と隣人の会社が協力し合える関係を築くことに今回の活動は大いに役立ちました。