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活動報告

ブラジル

河岸林保全事業 2013年活動報告

今年度より開始した河岸林保全事業は、まず日本の専門家(鹿児島大学の魚付保安林の専門家である中畑勝見氏)を派遣し、技術移転モデルとなる台地(テラ・フィルメ)のアグロフォレストリーを視察評価の後、パラ州農業普及公社職員と共に実施地を訪れ、河岸林及び後背地の調査、住民との意見交換を行いました。
その結果、植林農耕分と養殖畜産分を分けて、後背地で経済的価値の高いアサイー椰子、カカオ属果樹(Theobroma cacao, T. grandiflorum)に在来有用樹種数種を混植、林床に耐水性のある有用草本植物を植えることにしました。また淡水魚養殖と小型家畜飼養については、川に面した家周りで浮生簀や舎飼により河岸林を損ねない形で行い、アグロフォレストリー産物の一部を飼料として用いる生産体系を構築しました。
近隣住民との集会では、生活安定のための持続的森林経営の意義と手法について啓発し、アサイーを含む多樹種で構成される河畔林のマングローブ林同様の護岸や魚介類増殖の機能や、除伐後に住民が観察したこれまでの環境の変化についても解説し、今後実施する後背地アグロフォレストリーモデルへの取り組みを推奨しました。
また、河畔林の除伐抑制と総合機能保全を確実なものとするため、後背地に緩衝林を兼ねるアサイー主体のアグロフォレストリーを普及して住民の収入向上に資するための実証圃場を設置し、日系トメアスー農業協同組合(CAMTA)からアグロフォレストリー技術者とASFLORA専門スタッフを現地に派遣し、植林と栽培の指導を行い生産者に有利な共同加工販売についても解説を行いいました。
EFFではカウンターパートのASFLORAやCAMTA、東京農工大学、及び現地の普及教育研究機関とともに、本事業のフォローアップを行い、テラ・フィルメで発達したアグロフォレストリーのモデルが当地ヴァルゼアに適合した形で定着するよう努めて行きたいと思っています。

    

アマゾン水系の河畔林

  

活動地マップ