河岸林保全事業 2016年活動報告
2014 年から地球環境日本基金からの助成を得て、現地カウンターパートNGO「アマゾン森林友の協会(ASFLORA)」の協力のもと、浸水林域でのアグロフォレストリー導入支援と啓発活動を行うアマゾン地域の河岸林保全事業は4年目を迎えました。現地からの報告では、ここ1年余りは収穫期(7~11 月)には市場でアサイーが供給過剰状態となり、値段もやや下落している様子で、アサイーの収量、質とも低下する状況が地域で進行しつつあるとのことですが、今年度も引き続きパラ州アバエテトゥーバ市サンジョアンバチスタ集落を活動対象地として、以下のような活動を実施しました。
①ベシェッコ川沿いの2つの住民の土地に、各 0.25haのアグロフォレストリーの展示圃場を設置。アサイー林の 中にカカオ、クプアスー、バナナ、インガ、アンジローバ、ウクターバなどの樹種を混植。
②アグロフォレストリーを地域住民が自立的に展開できるインフラとして地域のリーダーである Raimundo 氏の 土地に高床式の苗畑を設置。設置後は育苗技師を招き、苗木作りの講習会を実施。
③地域住民代表を世界的なアグロフォレストリーの先進地トメアスーで 8 月に開催されたセミ ナーへ派遣。
④12月にカカオ研究公社(CEPLAC)の技師を招聘し、集落の住民向けの講習会を実施。カカオの生産や市場につ いて講義を受けた。
⑤湿地帯では河川を活用した養魚への関心が高いため11月に水産技師を招聘し、養魚の講習会を実施。
アサイーの市場価格は収穫期と端境期で変動すしますが、全体的には高止まり傾向となっています。州政府が栽培を推奨しているためアサイー以外の樹種除伐の圧力は存在しますが、サンジョアンバチスタ集落では啓発の効果もあり、アサイー以外の収穫物を得ることへの関心が高まって来ており、現地で継続的に集落を訪問、ケアしているASFLORAの技師からは伴走型で支援している本プロジェクトへの評価が高まっているとの報告を受けています。