活動の背景
周囲東西約23km・南北約40kmで面積497km²と県全体の6.4%を占め大井川上流部に位置する人口 約8,000人の山あいの町です。 SLが毎日走る大井川鐵道、徳山のしだれ桜、南赤石林道周辺のアカヤシオ・シロヤシオなど観光資源に恵まれ大井川を挟むように茶園が広がる銘茶「川根茶」のふるさとでもあります。
また、南アルプス南部の山麓と前衛の山々が織り成す四季折々の美しい景観の中に「美女づくりの湯」と呼ばれる寸又峡温泉、「若返りの湯」と呼ばれる接岨峡温泉などが点在しています。町域の約94%を森林が占め、最高地点である光岳の南西側は本州唯一の原生 自然環境保全地域に指定されるなど日本でも貴重な自然を有する町となっています。
また、豊かな森が生み出す水や大井川の恵みは、お茶を始めとした地域の産業と密接に関連しており、森を守り育んでいくことが非常に重要な課題となっています。
これからの森づくりと目標
EFF ではそれら課題を改善するために以下の3つをこと目指し活動を開始しました。日本の森林の大きな課題である再造林放棄地への植林を行い、継続可能な森づくりに取組むと共に、これらの保全活動をきっかけとして川根本町や都市部の方々と連携を進め、地域の魅力・資源を再発見し活性化につなげる活動を2013年~2015年まで展開しました。その後、2015年7月以降は、地元NPOのかわね来風が同事業を引継ぎ、協力企業や個人の支援を得て継続発展させています。
Ⅰ 植樹による持続可能な森林管理
Ⅱ 静岡県川根本町の地域活性化
Ⅲ 自然資源の再生・保全による観光産業の推進
活動内容(手法:植樹、草刈、間伐)
毎年、春(3月頃)に植樹、夏(8月頃)に草刈、秋(11月頃)に間伐を実施し、森林整備活動を行っています。
<植樹>
ヤマボウシ、イロハモミジ、ウメ50本、コナラなど広葉樹を中心に植樹地で育ちやすい樹種を選び植樹しています。また、鹿などに苗木が食べられること(食害)を防ぐために苗木を保護するネット(サプリガード)も1本ずつ実施しています。
<草刈>
雑草を除去するため、夏(8月)に鎌を使った草刈を実施します。草刈は、地味で季節的にも重労働な作業ですが、雑草が苗木への日光を遮るのを防ぎ、生長を促進させるための重要な作業です。
<間伐>
秋頃に、間伐作業を実施します。林業家の指導のもと、選木、縄かけ、受け口作り、鋸の引き方を学び、ボランティア自らの力で樹を倒しています。樹木は、光合成で得た光エネルギー、葉から吸収した二酸化炭素、地中から得た水を使って炭水化物を合成、生長しています。鬱蒼とした山林では太陽光が林冠で遮られて林床まで届かないため、樹全体で光を受ける事ができず光合成が十分に行えません。光合成が不足した山林の木々の根は、地面の張りが弱く、また細く長い樹幹となり、強風など横からの力に弱い樹に生長してしまいます。間伐の作業は、樹木を太く、強く、大きく育てるために重要な作業です。
2015年度活動報告
今年度は、6月6・7日(1泊2日)で、地元林業家の指導のもと全国から大学生のボランティア16名を集め、これまでの植樹地の草刈とサプリガードのメンテナンス作業を実施しました。2012年より実施してきた本活動は、2015年度7月以降、地元での体制も整ってきたため、NPOかわね来風が事業を引継ぎ、協力企業や個人の支援を得て継続発展させていくこととなりました。
2014年度活動報告
2013年度活動報告
昨年度から開始した静岡県川根本町での活動『川根 GREEN PARTY』は積水ハウスマッチングプログラムの助成をいただき3回実施しました。1回目の8月は昨年植樹した苗木の保育を目的に草刈を行い、2回目は、11月に積水ハウス社員ボランティアのみなさんにも参加いただき間伐体験イベントを開催。ノコギリを使って120本を伐採しました。さらに3月には東京首都圏の大学生を中心に32人を集め、町の魅力を巡りながら田野口駅近くの民有林で植樹活動を実施するイベント開催し、地域の様々な主体と協働しながら活動を展開できました。